大善寺藤切会式(ふじきりえしき)

日時 平成22年5月8日(土)14:00〜18:00頃 ※毎年同日
場所 大善寺(山梨県甲州市勝沼町勝沼)
交通 JR中央本線勝沼ぶどう郷駅より徒歩約30分


『民俗芸能辞典』の「稚児舞」の項に「柏尾山大善寺の藤切会式は大蛇の眼の射比べのあと少女の稚児舞がある。」との一文があって、以前から気になっていたお祭り。
毎年同日開催で、ようやく休日に合ったため行ってきました。

勝沼ぶどう郷駅よりぶどう畑のなかの道を上がり下がりして約30分。結構疲れます。
後でみたら廃線跡のトンネルを行く道もあるようです。
大善寺は普段は拝観料500円ですが、この日は無料でした。
石段を上った先にある国宝の薬師堂にお参りしたところ、今日の主役?藤蔓で作った大蛇に触ることができました。

午後二時より、行者堂にて祈祷。僧侶と山伏が般若心経を唱えたりしていました。
その後は大蛇が吊るされます。境内は屋台も出てだんだん人が増えてきました。

薬師堂 行者堂 稚児 稚児

午後三時半すぎ、ふもとの客殿から稚児がぱらぱらと出てきました。お坊さんも一緒です。
稚児の中でも年が上で衣装も立派な女の子が二人。この二人が稚児舞の子でした。
なんだかんだで一時間後、記念写真を撮って一行が石段を登り始めます。

僧 稚児 稚児 山伏

一行は薬師堂に入って祈祷をしたあと、山伏は稚児堂(吹き抜けの舞台になっている)へ。
「大蛇退治に加えてほしい」という山伏との問答や、幣・弓矢・刀・斧などによるしぐさがあります。
五方向に弓を放っていた山伏は声が高かったので女性かも。珍しいですね。

山伏 山伏 山伏 山伏
山伏 山伏 山伏 山伏

午後五時過ぎ、稚児舞の二人が稚児堂に上がってようやく稚児舞が始まります。
まず「日光の舞」。赤い衣の女の子が金色の鉾を持って舞います。鉾を振り下げるなどの所作があります。
次に「月光の舞」。青い衣の女の子が銀色の鉾を持って舞います。動きは同じようです。
最後に「日月の舞」として、二人が同時に舞います。それぞれ2分程度の短い舞でした。

稚児舞 稚児舞 稚児舞 稚児舞
稚児舞 稚児舞 稚児舞 稚児舞
稚児舞 稚児舞 稚児舞 稚児舞

午後5時15分頃、ついに藤切会式の本番になります。
まず大蛇を退治しに行った人が退却したり、たいまつを持って進んだり演劇のようで面白い。
最後に山伏が太陽(?)に見立てた丸い金色の紙を蹴破り、大蛇を切り落とすと観客が一斉に殺到します。
縁起物ということで自分も取ろうとしましたがとても無理でした…

山伏 山伏 藤切り 争奪戦

待ち時間が長かったものの、奇祭の噂にたがわぬ興味深いお祭りでした。
稚児舞は舞楽の「振鉾(えんぶ)」に似ているように思えましたが、ちょっと自信はないです…

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